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文章を書くのは難しい……。

映画と本の感想を時々書いていきたいです。

映画感想文「フランス組曲」

今年から京都シネマの会員になったので、去年までよりずっと気楽に映画がみられるようになった(とはいえ出不精なので、油断してると1箇月丸々映画館に行かないとか普通なのだけれど……)。
ともかく、このブログも良い作品を見たときにはちゃんと更新していきたいですね。


フランス組曲は2014年の映画(日本上映は2016年)。
舞台はナチス占領下フランスの田舎町、戦地へ向かった夫の身を案じながら義母と共に暮らす主人公・リュシルの家にドイツ軍将校が宿泊することとなり、二人は音楽を通じて交流を深めていくが……。

敵国人同士、障害に翻弄されながらそれでも惹かれあう二人の恋愛模様が素晴らしいのは勿論だけど、それ以上に印象に残ったのは義母や隣人といった脇役の人々の、なんといえばいいのか、人間らしさ、としか言い様のない役所だった。
主人公の義母は小作農からの上納金で暮らす大地主でありながら、パリからの避難民がやってくると、それまで家を貸していた家庭を追い出し、二倍の料金で避難民に家を貸し出したり、物資不足のなか金に物を言わせて自分たちだけ食糧を買い集めるなど、およそ善人とは言いがたい人間なのだけど……その彼女が物語の後半に果たす役割がとても印象に残っている。
他にも、登場するシーンは少ないながら、貴族階級であることを鼻にかけた町長や、ドイツ兵と関係を持つ貧農のセリーヌなど、単純に善悪に二分できない人々の姿が胸を打つ傑作だった。また何度も見返したい。