備忘録

映画と本の感想を時々書いていきたいです。

いや、まぁ、面白いは面白いんだけど……「SING/シング」感想(ネタばれ有

昨週末公開、日本でも大ヒット中(らしい)、「SING/シング」IMAX3D・字幕版で観てきました。


映画『SING/シング』予告編

ミニオンズ」「ペット」などのヒット作を手がけるイルミネーション・スタジオによる長編アニメーション。マシュー・マコノヒーリース・ウィザースプーンセス・マクファーレンスカーレット・ヨハンソンジョン・C・ライリータロン・エガートン、トリー・ケリーら豪華キャストが声優として出演し、レディー・ガガビートルズフランク・シナトラなど誰もが知る新旧ヒット曲を劇中で披露する。人間世界とよく似た、動物だけが暮らす世界。コアラのバスターが劇場支配人を務める劇場は、かつての栄光は過去のものとなり、取り壊し寸前の状況にあった。バスターは劇場の再起を賭け、世界最高の歌のオーディションの開催を企画する。極度のアガリ症のゾウ、ギャングの世界から足を洗い歌手を夢見るゴリラ、我が道を貫くパンクロックなハリネズミなどなど、個性的なメンバーが人生を変えるチャンスをつかむため、5つの候補枠をめぐってオーディションに参加する。監督は「銀河ヒッチハイク・ガイド」のガース・ジェニングス。

SING シング : 作品情報 - 映画.com

 

 恥ずかしながら「ミニオンズ」も観たことないので、イルミネーション・スタジオの作品は今回が初鑑賞。結論からいうと面白かった! 面白かったんだけど……! という感じ。

映画.comの紹介にもある通り、今作は、劇場の資金繰りに喘ぐ劇場支配人(コアラ)のバスターが一発逆転を狙って歌オーディションを企画し、それに25人の子供と旦那の世話に日々忙殺されている主婦(ブタ)のロジータ、ギャングの首領を父(ゴリラ)に持ちつつ歌手にあこがれているジョニー、半ばヒモの彼氏とロック・デュオを組む少女(ハリネズミ)のアッシュ、本当はとても歌が上手いのに極度の恥ずかしがり屋が災いして人前で歌うことができない少女ミーシャ、性格に難のあるストリートミュージシャンのマイク、のそれぞれに難を抱えた五人(プラスα)が参加するが……という作品。

まず良いところを挙げていくと、主題がそれなんだから当たり前は当たり前なんだけど歌がいい。クライマックスでしっかり尺を割かれて描かれる主役の五人はもちろん、オーディションでは様々な動物の歌唱シーンが登場するんだけど、それぞれに個性的で良い味を出してる。あと、ここで泣けよ~~、というポイントはやっぱり感動的です。家族以外の前で歌うことができなかったミーシャが初めて観衆の前で歌うシーンとか、ジョニーと父親との和解シーンとか。

ただ絶賛しづらいのが、作中を通じて明示的に成長が描かれている人物が少ないという点。

大人の鑑賞に耐える作品とはいえ、子供向けアニメではあるので最後はハッピーエンドになるんだけど、まあ理窟で考えればその人が解決するのは分かるんだけど、その解決で本当にバスターはいいのか……と思えてしまったりとか。そもそも彼らの再結成の動機が今イチわからないとか、前述した和解シーンは感動的なんだけど、よくよく考えるとそれ以前に親子の対立というほどのエピソードが描かれていない(ジョニーは基本的に親父の命令にはただただ従っているだけなので)ために、後からふり返ってみるとこれ父親がひどいだけでは……とか。色々と欠点が目に付いてしまう。

とはいえ、アニメーションと歌は素晴らしいので、続編が出たら見ようという程度には楽しめました。次作も期待。